今回は「投資をしないと貧乏になる!?投資をしないリスクとは」というテーマでお話したいと思います。
いきなりですが、あなたは投資をしていますか?
よく「投資はギャンブルだ」といわれ、投資を勧めると煙たがられたり、怪しいことをしている人と思われてしまった経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
一方、「投資はギャンブルだ」と考える方の多くは、保有資産を銀行に預けるか、あるいは一部を手元に置いているかもしれません。
しかし、リスク資産(株式や債券など)に一切投資せず、預金を全て銀行に寝かしておくのは、果たして本当に安全で良い方法といえるでしょうか?
たしかに投資にはリスクはありますが、一切投資しないこともまた意味リスクのある行為(不作為)であると考えています。
投資をしないことでどのようなリスクがあるのでしょうか?
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投資をしないこともリスク
リスク①銀行の金利ではお金が増えない
早速ですが、あなたはメガバンクの普通預金の金利が何%かご存じですか?
答えは、なんとたったの「0.001%」です!
「0.001%」と言われてもあまりピンとこないかもしれませんので具体例をお示しすると、
「100万円を預けると、1年後に10円の利息がつく」ということになります。
たったの10円です。
つまり、現状「銀行にお金を預けてもお金は増えない」ということになります。
リスク②インフレにより資産が目減りする
2つめの投資しないリスクはインフレーション(インフレ)です。
インフレとは、端的に言うと、「物価が上がること」です。
例えば、現在は水1本買うために100円必要だとします。
ところが、1年後インフレにより物価があがり、水1本110円に上がったとするとどうでしょう?
現在なら「100円出せば水1本買えた」にも関わらず、1年後では「水1本買うためには110円必要になる」ということになります。
つまり、実質的にお金の価値(購買力)が下がることになります。
では、実際にインフレは進んでいるのでしょうか?
ここ数年の日本のインフレ率は1%未満でありますが、日銀は2%のインフレ率を目標としています。
ですので、将来的には「毎年2%物価が上がる」可能性があるとみて行動をする必要があると考えています。
毎年2%物価が上がる状況とは、先ほどの水の例でいうと、今年「1本100円で買えた水」が、来年は「1本102円ださないと買えない」ということです。
この例を一般化すると、将来的にインフレ率が2%になると考えるならば、資産を年利2%以上で運用して、今年持っている100円を1年後に102円以上しないと、実質的に去年より貧しくなるということです。
リスク③為替(円安)リスク
「円安」とは、外国の通貨に対して円が安くなるということです。
例として、米ドルと日本円の為替レートを考えてみましょう。
現在の為替レートが1米ドル=100円とします。
そして、1年後に1米ドル=105円になったらどうでしょうか?
なにが起きたかというと、「今年は100円と1ドルを交換できたのに、1年後に1ドルを交換してもらうためには105円も必要になる」ということです。
1米ドルと交換するために、より多く円が必要になったので、円の価値が下がっているといえるのです。
そして、海外からモノや食料を仕入れるには、海外のお金が必要なので、円と外貨を交換して決済する必要があります。
もし円安になると、同じ円でも交換できる外貨の量が減るので、同じ量を輸入しようとすると多くの円が必要になるということです。
ですので、外貨建ての資産などに投資せず、すべて円建ての資産を保有していると、円安になった時に「相対的に目減りしていく資産をただ眺めること」しかできなくなります。
リスク④日本の増税は続く
日本は現在、世界トップの少子高齢化が進んでいる国です。
少子高齢化による問題点は様々ありますが、金銭的観点では「今後も増税される」ということです。
少子高齢化による増税理由は主に以下の2点です。
①働いて税金を納めてくれる「生産年齢人口」が減少するから
一人当たりの納税額が変わらない前提でいえば、頭数が減れば納める税金の額も比例して少なくなるのは当然です。
ですので、もし同じだけの税金を集めようとしたら、一人あたりから徴収する税金を増やす(増税する)しかありません。
②税金を必要とする人(高齢者)が増えるから
税金は様々な場面で投入されますが、高齢化する国においては、社会保障(医療)費が拡大します。
高齢者は若者に比べて病気になるリスクが高いです。
加えて、医療費の自己負担割合も2割、あるいは1割と少なくなっています。
逆に言えば、このような方々の医療費は8割あるいは9割を公費で負担しているということです。
また、高齢者に支給される「年金」も、一部は税金から負担されています。
これらのことから、「税金(社会保障費)はもっとたくさん必要になるが、納税者数は減っているので、一人当たりの負担を増やさざるを得ない」という結論にたどり着きます。
ですので、税金は増えるのに資産や収入は増えないといった状況を放置すると、生活はより厳しくなる一方です。
リスク⑤投資しないことは機会損失である
あなたは貧富の差を感じたことがありますか?
少なくとも私たちは、「上位1割の富裕層が世界の8割の富を独占する世界」で生きています。
間違いなく貧富の差は存在するのです。
そしてその差は、何も努力しなければこれからも拡大していきます。
先ほどの銀行預金の例を使うと、100万円を銀行(利息0.001%)に預けると、30年後には100万3000円にしかなりません。
しかし、この100万円を例えば投資信託などに投資し、税金などを差し引いたうえで毎年4%のリターンを得ることができれば、30年後には3,313,498円となります。
年間4%資産が増えるだけで、なぜ30年後に資産が300%以上になるのでしょうか?
それは「複利の力」が働くからです。
複利の力
複利とは、元本についた利息に対してさらに利息がつくことです。
例えば、100万円を年利4%で運用した場合、1年後には100万×1.04=104万円となります。
では2年目はどうでしょう?
2年目は104万円×1.04=108.16となります。
1年目よりも増え幅が大きくなっていますよね。
これが複利の力です。
仮に単利(元本にのみ利息が発生する)により計算すると、2年目以降に増える資産は1年目同様毎年4万円となります。
先ほどの100万円を30年間利率4%で運用した例を単利で計算すると、30年後には2,200,000円となります。
複利計算した場合の3,313,498円と比べると、1,113,498円の差になります。
ちなみにですが、銀行預金も複利による運用である点は同じです。
ただし、株式などで複利運用した場合と比較すると、銀行預金の利率があまりにも低いので、利息に対して利息が発生したところで金額にほぼ影響を及ぼさないということです。
これらのことから、銀行預金のみ行う人とリスク資産に投資している人では、将来的に大きな差が開く可能性があるということになります。