競馬の格言

競馬の格言に「1格、2調子、3展開」という言葉があります。

これは競馬予想の際の優先順位を指しています。

まずは過去の実績から出走馬の格の差を見る、次に調教やパドックから調子を見る、最後にレース展開を読むことが重要だということです。

ただこの定義だと意味が曖昧なので予想に役立てることができません。

そこでこの記事では、「1格、2調子、3展開」という格言を活かせるようにそれぞれの言葉の意味を深堀りしてみます。

格とはレースのクラス分け、過去のレースレベル、血統によって判断できます。

クラス分け

JRAでのレースのクラスはオープンクラスと条件クラスに分かれています。

例えば、GⅡのレースには過去にGⅠで連対したことがある馬、GⅢで勝利したばかりの馬が出走してくることがあります。

このように過去のレースのクラスが違う場合は基本的にレースのクラスが上の馬を重視した方がいいということになります。

ただし、急に力をつけて上のクラスでも好走できる上がり馬がいる場合があるので、これまで出走してきたレースのクラスのみで馬の力を判断することは避けたほうがいいでしょう。

過去のレースレベル

馬の人気は近走の着順に左右されることが多いですが、着順のみで馬の能力を判断することは避けたほうがいいでしょう。

競馬予想においてはレースレベルを判断することが大切です。

レースレベルを判断するには走破時計を基準にすることがありますが、走破時計は馬場や展開に左右されるのであまりオススメできません。

そこで、過去のレースで出走していた馬がその後にどのような成績を上げているかを確認することでレースレベルを判断できます。

例えば、前走で買った馬が出走してきたときに、その馬の前走で負けた馬がその後勝ち上がっていればレースレベルが高いと判断できます。

逆に前走で負けた馬がその次のレースでも4着以下に敗れているようであればレースレベルは低いと判断できます。

伝説の新馬戦として名高い、2008年10月26日(日)に京都で行われた芝1800mの新馬戦では

  • 1着:皐月賞馬となるアンラインバルド
  • 2着:日本ダービー2着となるリーチザクラウン
  • 3着:2010年年度代表馬となるブエナビスタ

という結果でした。

リーチクラウン、ブエナビスタは次の未勝利戦で勝利していますので、アンラインバルドが勝利した新馬戦のレベルは高かったということになります。

血統

格は種牡馬でも一定の判断ができます。

例えば、「ダービー馬はダービー馬から」という格言があります。

2012年~2021年のダービー馬を見てみると、種牡馬はディープインパクトが7回、キングカメハメハが2回、ハーツクライが1回となっています。

10回中9回はダービー馬の子供になります。

ちなみにハーツクライはダービーの2着馬でその時の1着はキングカメハメハです。

さらにディープインパクトを破った唯一の馬でもあります。

このように血が血を連綿と紡ぐブラッドスポーツとだけあって、種牡馬の格が子供に影響を及ぼすことがあります。

調子

馬は調子が良ければ実力以上の力を発揮しますが、調子が悪いと実力を出し切れずにレースが終わることがあります。

また馬の調子は一定ではありません。

肉体的にも精神的にも浮き沈みがありますので、調子の良し悪しを判断することは大切です。

調子を判断する要素として、調教、ローテーション、パドック・返し馬があります。

調教

調教から調子を判断するためには、レースの1週前追切や最終追切だけではなく、

  • 調教の過去最高タイムや直近で連対した時のタイムと今回のタイムの比較
  • 好走時と今回の追切の仕方(コース、追切の強さ、併走・単走など)の比較
  • 好走時と今回の走行姿勢の比較

によって調子を判断することができます。

タイムや追切の仕方は競馬新聞を見ると判断できますが、走行姿勢は調教動画を見ないと分かりません。

調教動画はJRA-VANや競馬ブックなどで確認することができます。

調教動画で最低限確認したいポイントはこちらです。

  1. まっすぐ走れているか
  2. 首を上下ではなく前後に動かしながら走れているか
  3. 騎手の指示後の反応はいいか

走りながら横によれている、首を上下に動かしていて息苦しそう、騎手が手綱を動かしているにもかかわらず反応が悪い、ということであれば調子はあまりよくない可能性があります。

ただし、調教では走らないけどレースになると本気を出す馬がいますので、馬の個性も併せて確認が必要です。

ローテーション

馬には得意とするローテーションがあります。

例えば、休み明けが得意、休み明けの次のレース(叩き2戦目)が得意、レース間隔は3週以上空けたほうがいいなどです。

好走した時と同じようなローテーションであれば、馬の調子をレースに合わせて整えている可能性があります。

パドック・返し馬

パドックでは調子がいい馬というよりも調子が悪い馬を選別しましょう。

例えばゼッケンの内側から白い汗が大量に出ている、口の周りが白くなっている、返し馬で落ち着きがないなどは精神的ストレスがかかっている可能性があります。

またタグからキャンターにスムーズに映れていない場合は筋肉痛や疲労が残っている可能性があり、これも割引が必要です。

展開

展開はレースのペースによって左右されます。

ペースはハイペース、ミドルペース、スローペースがあり、出走馬の脚質、前走距離、コース形状によってペースが変わります。

馬には得意とするペースがあります。

速く走ることが得意な馬がスローペースになるとストレスを感じて、走りながら首を振ったり、鶴首になってたりします。

またゆっくり走ることが得意な馬がハイペースに巻き込まれるとレースの前半で体力を消耗してしまい、最後の直線で失速することがあります。

このように馬には得意なペースがあり、苦手なペースになるとこれまで好走していた馬が突然凡走したりします。

逆にこれまでペースが合わずに凡走していた馬が得意なペースになると激走することがあります。

このように展開を読むことは重要です。

出走馬の脚質、前走距離、コース形状を軸に展開の読み方を解説します。

出走馬の脚質に見る展開

馬の中には常に先頭を走っていないと気が済まない性格の馬がいます。

そういう馬は逃げ馬となって馬群の先頭を走っていきます。

ところが複数の逃げ馬がいた場合は、オレがオレが!ワタシがワタシが!となってハイペースになることがあります。

特に逃げ馬が外枠に入っている場合はスタート直後にスピードを上げてコースの内側に入り込んでくるので、特にペースが上がりやすいです。

このような場合は前半がハイペースとなって逃げ馬は途中でバテて差し・追込が決まりやすくなることがあります。

逆に逃げ馬が不在の場合は前を行きたがる馬がいないのでスローペースとなることがあります。

スローペースの時は逃げ・先行馬に体力が残っているため差し・追込は最後の直線で届かず前残りになることがあります。

また芝の状態がきれいで前残りの傾向があって、逃げ馬が不在の時はいままで逃げていなかった馬が突然逃げて穴をあけることがあります。

ミドルペースはハイペースとミドルペースの中間です。

レースの速いタイミングで隊列が決まり、レースの終始を通じて1Fを11秒台中間~12秒台中間程度で流れるペースです。

この場合は一瞬のキレはなくても長くロングスパートができる馬が有利になります。

前走距離に見る展開

例えば1400mのレースには、前走が1200mだった馬と1600mだった馬が出走することがあります。

1200mと1600mではペースが異なりますので、当然1200m出走馬の方が前半のペースは速くなります。

レースの逃げ馬が前走1200mだった場合は特にペースは速くなりがちです。

これは1400m戦に限らず他の距離でも同じこと言えます。

ペースを読むには出走馬の前走距離と前走の脚質を確認するようにしましょう。

コース形状に見る展開

コースによってもペースは変わります。

スタート直後に下り坂がある場合はペースが速くなりやすいですし、小回りでコーナーが多い場合はペースが緩くなる傾向にあります。

例えば小倉芝1200mはスタートして約200mは下り坂、その後200mは平坦で、その次の200mは下り坂なので前半3Fのうち2Fは1Fタイムが10秒台となることが多く、かなりハイペースになりやすいコースです。

また、小回りコースでコーナーを4回回らないといけない場合、コーナーの時点でスピードが落ちるので全体的なペースはスローになりやすいです。

例えば福島芝2000mは小回りでコーナーが4回あるので、全体的に1Fのタイムは12秒台が多く、スローになりやすいコースです。

このようにコースの形状によってもペースは変わることがあります。

まとめ

今回の記事では競馬の格言「1格、2調子、3展開」について検証しました。

競馬の予想では

  • 出走馬のクラス、過去のレースレベル、血統から格を評価する
  • 調教、ローテーション、パドック・返し馬から調子を評価する
  • 出走馬の脚質、前走距離、コース形状から展開を予測する

ことが大切です。

こちらの記事が少しでも予想の役に立てば嬉しいです!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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